たまごのひよこ「医」日記

たまごのひよこ(twitter: @chicken7egg)です。学生時代に書いていたブログの保管庫。移転したのでリンク使えない部分もありご不便をおかけするかと思います。

バリー・シュワルツ「なぜ選ぶたびに後悔するのか」を読んで

試験が終わったらやりたいことの1つ目に挙げた読書の1冊目。



担任先生に薦められた考え方について書かれた本。

宗教・結婚・職業選択・電力・インフラ供給会社等々、人は近年の社会の流れの中で、様々な選択肢の中から好きなものを選ぶことができるという究極の自由を手に入れたのに、なぜ幸福度が下がっているのか。
筆者はこの究極のジレンマに、専門の心理学をはじめ様々な観点から取り組んでいます。


選択ができるということは、選ばなかった選択肢との比較が生まれるということ。
そして幸福に暮らすには、時間の許す限り多くの選択肢を探し、それを見比べ選択したものの価値を「最大化」しようとするマキシマイザーよりも、ほどほどで満足するサティスファイサーになった方がいいということ。
マキシマイザーは一見いい物を手にしているようで、その時間を費やして僅かにいい物を手にすることにはたいした価値がないこと、他と比べないといけないということで自分の基準がないことが良くないようです。

まとめてしまえばこんな単純な話ですが、誰しもが選ばなかった選択肢について振り返らないことなんてできないだろうし、「私、サティスファイサーになります!」といってすぐに幸せを手にできるわけはありません。
筆者は興味深い様々な例を使いながら、読者に今の社会や人の考え方について客観的に見る機会を与えてくれています。この例の選び方、文章の運びが本当に上手。時間を捻出して年に200冊を読む教授がわざわざオススメしてくださった本ということで大変期待していたわけでありますが、その期待に応えてくれる本でした。


中でも一番好きだったのは、
返品が可能な物と、そうでないものがあったとする(後者は例えばセール品等)。
すると、セール品があるのに、返品が可能な定価で商品を買う人が一定数現れる。
返品が可能であっても、実際に返品する人はほとんどいない。
しかし、返品が可能という状態で買った人の方が、買った物に対する満足度が低い。
という話です。

これはいくつかの話を統合しています。
1つ目。返品可能であっても、実際に返品する人はほとんどいないという内容。これは、一旦自分のものになると、その価値があがるということによるそうです。書中では、例として、マグカップにいくらまでなら出せるか査定してもらった後、そのマグカップをプレゼントし、査定した値段で売ってくれるか聞いたところ、ほとんどの人が売らないと答えたというのが紹介されていました。
2つ目。返品可能な方が、満足度が低いという法則。これは、返品という選択肢がないと買ってよかったことをより考えるようにし、一方で返品するという選択肢が残されていると、その商品の粗探しをしてしまうことによるそうです。


そして話はサンクコスト(埋没費用)効果やうつの話にも及んでいます。これも具体例を多く使っているので、軽快に読み進められます。
野球のチケットを買ったが、その日大雨になってしまった。その時、チケットのお金は帰ってこないので、本来なら「雨の中行くか」「家でぬくぬくテレビを見るか」どちらがいいかを考えればいいだけなのに、多くの人が失ったチケット代を気にして結局球場に行ってしまう。
という話等々。


ちょっと文でのまとめが下手でしたが、内容をもっと詳しく知りたい!と思ってくれた方は是非手に取ってみてください。

ちなみにこちらの本は、サブタイトルが違いますが、古いだけで同じ本を訳したものです。ご注意を。

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