【資産形成への道】「となりの億万長者」は流石の名著だった
「どうやったらお金持ちになれるの?」
豪邸のお金、高級車のお金、クラブの会費…
これらがいったいどこから湧いてきているのかは、私にとっていつも気になることでした。
と導入でカッコつけてみましたが。
どうも、ロシナンテさんに高評価をいただいた資産形成への道です!
今回はRasさんオススメの資産形成本2冊目、トマス・J・スタンリー「となりの億万長者」を読んでかなり良かったので自分のためにもまとめながら紹介しようかと思います。
この本は、億万長者を地道に分析することで、「お金を貯める」方法について論理的な分析を行った書籍です。
読み終わって最初に思ったこととしては、そのタイトルの秀逸さ。
買う前に探し始めた時には「となりの」という表現が全く理解できませんでした。丸善で「トアルオクマンチョウジャ」で検索して全くヒットしなくて、慌てて調べ直して間違えていると知る、みたいな感じでした。
しかし読み終わってみると、なるほどこれは「となりの」でなくてはならない、と納得することができました。
億万長者は高級住宅街に住み散財する人ではなく、普通の給与・場所で、身近に存在する人たちであるということ。だから誰にでもなれる可能性があるということ。
隣のってどういうこと?と手に取る人に不思議に思わせることと、読み終わってからわかるそのメッセージ。素晴らしいです。
膨大なデータを用いた研究により、
「お金持ちになれるのは、攻めが強い(よく稼ぐ)人ではなく、守りが強い(支出が少ない)人であるということ」
を明らかにしたというのが、この本の主題であったと思います。
その論法としては、例えば車やスーツ、時計などの指標になりそうな項目について、「最高でいくらまで出したことがあるか」を質問して得られた答えを、まずは
「億万長者の約半分は~ドル以下の車を買っており、これは一般人と大差ない」
という風にまとめ、その後
「億万長者には定義上べらぼうに稼いでいるが資産形成が下手な人や、遺産相続で大金を手にしただけよ人が含まれているため、それを除いて再集計すると平均は更に下がる」
という形で進んでいきます。
興味深かったのは、億万長者の二世が金持ちから転落する理由。自分の力で億万長者になった人は、自分のいい生活をさせてあげたいと思うけど、いい生活の維持にはお金がかかります。
家にお金があると思わせ、所謂上流の生活をさせることは、守りを弱くするので転落につながるという話でしたが、とても納得がいきました。
子供に楽をさせたいと思って汗水垂らして頑張って大金持ちになったのに、実はその貪欲に頑張るということが一番大事で、それを学べなかった子供が損をするというのは、実に皮肉な話ですね。
さて、この具体的な「守り」について。
守りは大雑把に言うと、支出を把握しなるべく削減することと、税金に持っていかれる現金資産を減らすため、年金や株などに投資をすること。
代表的な守りの失敗例としては、高級住宅街に住んだり、高級車に乗ったりすること。これらは、それに合わせた贅沢をすることにつながり、現金収入を増やさなければ成し遂げられず、現金収入を増やすことは支払う税金額も増えるということになり、資産は増えなくなる。書中ではこういう人を、蓄財劣等生と呼んでいました。
逆に蓄財優等生は、周囲に住む人はおろか、子供にさえも家がお金持ちと思われないような暮らしぶりで堅実にお金を貯めているようです。年金や公開株はもちろん、非公開株、不動産とリスクを分散し、更に「資産は奪えても頭脳は奪えない」というモットーのもと、自分や子供の教育にお金をかけるようです。
最後にかなり個人的な感想を。
「経済的にしっかりした基盤を持とうと考えているなら、きっと実現できる。だが、よい暮らしをするためにお金が欲しいと思っているのなら、一生、金は貯まらない。」
このフレーズは、ずっしり来ました。
後者の気持ちがないわけではないもので…かなり考えさせられました。
贅沢と、経済的な成功は両立できないものなのか。
その方法は、この本を読む限り、
使う以上にべらぼうに稼ぐこと(若干蓄財劣等生であることには目をつぶる)と、使うところは使い締めるところは締めるというバランスをとる
の2パターンではないかなと思いました。
後者の気持ちがないわけではないもので…かなり考えさせられました。
贅沢と、経済的な成功は両立できないものなのか。
その方法は、この本を読む限り、
使う以上にべらぼうに稼ぐこと(若干蓄財劣等生であることには目をつぶる)と、使うところは使い締めるところは締めるというバランスをとる
の2パターンではないかなと思いました。
ちょっとは贅沢しても大丈夫、という意味での紹介ではありませんでしたが、本のエピソードの1つに、稼いで高級住宅街に越してきて周囲に私立の学校への投資を薦められた人が、結局自分で地域の公立での教育の現状を分析し、悪くないと判断して公立に入れたという話がありました。
自分が目指すのは後者かな、と。
また、この本を読んでどう思うかは、正直置かれた立場やこれまでの人生によって左右されると思いました。