Life is Whyが深かったBLSプロバイダー講習
救急救命サークルの仲間と、日本ACLS協会のBLSプロバイダーコースを受けてきました。
BLSはBasic Life Supportの略で、倒れている人を発見してから救急車やAEDをお願いしたり、胸骨圧迫をしたりといったことを行う、日本語では1次救命措置と呼ばれる一連の流れのことです。
普段のサークル活動でこのレベルには到達していると思ってはいるのですが、ガイドラインに基づいた正確な知識を学ぶことと、次に説明するこれ以降のコースを受講するためにBLSの資格が必要になるということで、今回春休みということで受験してきました!
日本ACLS協会主催コースについて
日本ACLS協会は、
医療従事者、医学生、一般市民等に対する心肺蘇生法及びこれに関連する医療技術、知識等 (以下「心肺蘇生法等」という)の普及、心肺蘇生法等にかかわる情報提供、相談・支援事業を行なうことにより心肺蘇生技能の向上をはかり、心肺危機に陥った市民の救命、社会復帰に寄与する
ことを目的とするNPO法人です。
写真の内容の他に、これらのコースでの指導者を目指すためのコースや、一般の方向けに応急手当を解説するライフセーバーコースがあるみたいですが、医学部生、医療関係者が受けることが多いのはこの辺ですかね。
感想
受講者は看護師さんが多かったように感じました。科によっては、専門医取得の際に上位資格のACLSが必要になるところもあるからか、医師の方もいらっしゃいました。
内容としては概ね「まあ知ってる」というところでしたが、いくつか気になったところがあったので忘備録も兼ねて書いてみます。
自分の胸骨圧迫、意外と深かった
日本光電さんのこちらの機械を使って胸骨圧迫の評価をしてもらう機会を運良くいただけたのですが(確率1/3!笑)、適切な胸骨圧迫の割合が意外と低くてビックリしました。
原因が、胸骨圧迫が深すぎたこと。男性医師の方も同じ状態に陥っていました。
「普通の人は胸骨圧迫は絶対浅くなっちゃうから、深くやるように意識すべき」「深くて不都合が起こることは無いとは言えないが、浅い時に起こることほど深刻ではない」というのは、普段の練習でも今日も口を酸っぱく言われていることなので、皆さんもこの言葉をどうか間に受けないようにお願いします。
が、今後はもっと、スムーズなsinカーブを意識した綺麗な胸骨圧迫の練習をしようと思いました。後、このCPR-1100、我がサークルにも導入してほしい・・・
まあ現場でデカイ人に当たってしまったら今まで通り思いっきり押すんですけどね^^
乳児の胸骨圧迫は2本指で、テンポが早くなりやすいので注意
まあ、ここはタイトルの通りなんですけどね笑
2本指で短いストロークで押す分、早くなりがちです。
ハイムリック法は正確かつ大胆に
会場では普段の練習には無い、ハイムリック法練習人形のチョーキングチャーリー君や小児・乳児の模型があり、机上だけでは分かりにくい部分も含めて学べたため、非常によかったです。
一発で成功させた看護師さんを尻目に何回もチャーリー君と戯れることになってしまったのですが、真っ直ぐ勢いよく、そして正しい場所を押すことの必要性を再確認出来ました。
キャッチフレーズが考えさせられる
AHA(このコースの主催元、アメリカ心臓学会)は、"Life is Why?"というキャッチフレーズのもとで、様々な事業を行なっています。
これを冒頭で見せられて、すごくコースに対するやる気が高まったのが印象に残っています。
"Life"という言葉の意味の多さですよね。
命だったり、人生だったり、寿命だったり、生涯だったり・・・
まあ概ね同じと言われてしまえばそうなんですが、使えるニュアンスの幅が広いような気がします。
日本では、「生」という漢字が一番読み方が多い(8個)と言う話が有名だと思いますが、同じように"Life"も多くの意味を持っているところが、何か人間の深さみたいなものを感じられていいな、と思いました。
今後の展望
今回、無事にBLSプロバイダーに合格することができました。
個人的には、お金の問題が気になるところですが、ACLSとPALSを学びたいと思っています。ACLSはBLSの先の2次救命処置、PALSは小児の救命処置を学ぶものです。
PEARSという、PALSの入口(評価と初期対応)をメインにするコースもありましたが、どちらかと言えば治療に最後まで携わる訳ではない看護師・救命救急士向けというような記述が多くみられました(逆にPALSは医師向けだから必要ないという意見も)。自分は医師になるということで、PALSで最後まで頑張ろうかな〜なんていう話です。
そんな訳で、小児医療の深さに最近引っ張られ気味な私です笑