英語が出来るように生まれた者の使命
先日YAKITORIを一緒に食べながらUSMLE対策のアメリカでのスタンダードを教えてくれた留学生が、昨日はHistory TakingとPhysical Examinationの練習をしてくれました。
日本に来る少し前に大学でロールプレイさせられたという下背部の痛みの症例を患者になりきって演じてくれて、それを3人で頑張って色々診察してフィードバックを受けるという形式でした。
衝撃を受けたポイントはいくつかあったのですが、1つ目はそのフィードバックの量。
患者への共感のテクニックをもっと使った方がいいと言ってPEARLSを教えてくれたり、問診がとっ散らからないコツやメモの取り方のテンプレを教えてくれたり。
相当いい教育を受けているんだろうな~なんて思っていたら、後からメールで送ってもらった現地の先生が付けたというチェックシートが衝撃的でした。
そして、鑑別診断から治療方針の決定に至るまでの知識の豊富さにもビックリしました。
急性発症の下背部の痛みでStraight Leg Raise Test陽性ということで腰部椎間板ヘルニアだろうな、という予想は僕たちでも付けられたのですが、対応としては「MRI撮って大きな問題が無さそうだったら経過観察かな」くらいにしか思っていませんでした。
そのように伝えるとフィードバックで、「アメリカでは命の危険がある状態でなければ、当日その場でMRIなどの画像検査をすることはまず無い」と教えてもらいました。MRIを1回撮るには1000ドル掛かるし、ヘルニアとか腰椎分離なんて無症状で持っている人はいくらでもいるから、治療方針の決定に必要な可能性が高くなければ行わないとのこと。
更に、「UpToDateに書いてあったけど、急性発症の下背部痛は70−90%の割合で7週間以内に良くなるからNSAIDsくらいにしておいて、3週間後のフォローアップで激痛が続いていたり変な症状が起こっていたりしたら画像診断を検討するね」「ちなみに、痛くてもなるべく動かすように指導しないとダメだよ」と。
実はさっきのチェックシートをよく見ると、これらの患者教育を行ったかどうかをチェックする欄があるのですが、、、
Yesの方にマークが付いている!!!
「後からサマリを書く時に調べたんだよ」
なんて謙遜していたけど、元々出来てるやないかい。
今後の、特に留学した際に回る科や研修医になってからの勉強に役立てたいものです。
ってか、実力差が凄すぎる・・・。
かなり驚くとともに、少し絶望感に近いものも感じました。
これに勝つには一体どんな勉強をしたらいいんだ・・・
臨床推論の勉強会でよく「血液検査の中ではどの項目を取る?」という話が出るのですが、今までは「でもどうせ全部取るんでしょ」くらいにしか思っていませんでした。アメリカではこういう検査項目の選択も重要視されているんだろうな、ってか、適当にやってる日本がおかしいよな・・・
こういうところからしっかり理論立てて勉強していかなきゃ。
帰りに、「何で僕たちのためにここまでしてくれるの?」と聞いてみると、表題のカッコいいコメントが返ってきました。
「皆優しく日本語を教えてくれるから」に加えて、「英語ができる環境で生まれ育つことができたことに感謝をしているから、僕たちは君みたいな子達を助けるのが使命だと思っているんだ」なんて言われたら、たまらん!笑
こんな風な考え方を持っているのはChinese Americanだからなのかな?
それともアメリカの医大生って皆こんな聖人君子みたいな人たちなのかな?
アメリカからの留学生やアメリカ帰りの先生は皆人格者な気がします。
充実した教育体制の一端も見ることができて、行きたい思いもグングン高まっています。
やっぱり、部活やってる場合じゃないかも・・・。