たまごのひよこ「医」日記

たまごのひよこ(twitter: @chicken7egg)です。学生時代に書いていたブログの保管庫。移転したのでリンク使えない部分もありご不便をおかけするかと思います。

まさかの再会/専門領域のチーム構成【29日目】

アメリカ留学5週目が始まりました。残りの2週間は内科系のサブスペシャリティ領域で、病棟とコンサルをしているチームで研修をさせていただく予定です。

1ヶ月は基本領域でアメリカ医療の全体を見て、残りはアメリカ医療のこれまた大きな特徴の1つである細分化された専門領域に迫る・・・完璧な計画に惚れ惚れします(ドヤッ)。たまひよです。

(これは今日食べたこの都市の名物の薄いピザ。笑)

 

ということで初日を終えたわけですが、やっぱり雰囲気は総合内科と大きく異なるものでした。システム自体の長所短所などの深いところは今後より理解してきてからに譲るとして、今日はチームの構成を少し紹介してみます。

最初に概要です。前回の総合内科医学教育チームと異なり、このチームはサブスペ領域なのでFellowの教育と高いレベルの医療を提供することに主眼が置かれていること、Nurse Practitionerと呼ばれる立ち位置の看護師がいることが特徴的だと思いました。ちなみに前回総合内科のチーム構成はこちらの記事をご覧ください。

順にチーム構成員を紹介していきます。

 

Attending

前回同様、チームのボスです。ただ、総合内科チームではChief Residentや若手のHospitalistが担当していることもあったのに対し、こちらは当然ですがサブスペ領域のFellowshipも終えたいわゆるベテランが勤めるため、かなり他の人と年齢と経験の差を感じました。

雰囲気もフランクに議論するというよりも、一通り考えたことを発表して評価してもらう、教えてもらうという方に近いです。その必要は全くないのは分かっているのですが、私は結構萎縮しています笑

 

Fellow

全患者の状態や治療方針の把握に加えて、ResidentやMed Studentへのタスクの割り振り、Attendingとの回診やミーティング時間の刷り合わせや後進の指導などの雑務全般を担っています。総合内科のResidentと同じポジション。

大変そうですが優しく指導してくれてありがたい限りです。普段はいない外国人留学生まで持たされてなんて災難だよって話ですよね。

(お土産はもう渡したので安心してください、って関係ないか笑)

 

Resident

総合内科では中間管理職的ポジションで病棟をぶん回していたResidentですが、ここでは結構お客様的な扱い。おそらくInternal Medicineでの研修は一般領域で病棟をぶん回すこと、Resident Clinicでの外来を回すこと、サブスペ領域をローテして興味のある進路を見つけることに別れているのではないかと思っています。

 

2人いて、そのうちの1人がまさかの総合内科でのぐう聖Residentでした(笑)

これだけたくさん職員がいてチームがあるのに2つとも同じローテーションって何事ww

タイトルの「まさかの再会」というのはこのことです。シッテイルヒトガイテヨカッタ。

 

Med Student

アメリカのポリクリでは、Residencyで選択するような基本領域をローテーションすることが一般的になっており、これまた日本との大きな違いの1つだと思います。

Most medical schools require rotations in internal medicine, surgery, pediatrics, psychiatry, obstetrics and gynecology, family medicine, radiology, and neurology. Some schools additionally require emergency medicine and intensive-care medicine.

Wikipedia - Clinical clerkshipより引用

私の今いるサブスペシャリティ領域も、日本にいた頃に当然のように2週間ローテーションしていたところなのですが、こちらでは興味のある学生が4th yearで選択するという程度の位置付けでした。

専門科にぶち込まれてその科でしか役に立たない、すぐに忘れてしまうような知識の伝達だけで終わってしまい、実臨床の中で患者さんの全体像を見て考えることをそんなには経験できないことが、日本のポリクリの大きな問題点の1つなのではないでしょうか。

 

その分早い時期から色々な科の雰囲気を見ることができたり、「うちの科には進まなくてもこれだけは覚えてほしい!」というような知識を授けてくれるいい先生に当たった時にはとてもためになる勉強をさせてもらえたりという利点はあると思います。

私はこの経験ができていない部分については、先月学生としてもしっかり学ばせていただきましたし、日本に帰ってからも総合内科を重視する研修プログラムを組んでいる初期研修病院に進むことでカバーしようと考えています。

 

Nurse Practitioner

最後にこちらにきて本当に驚いているNurse Practitioner (NP)について少しご紹介します。

こちらでは、看護大学を卒業してRegistered Nurse(いわゆる看護師)としての経験を数年積んでから、いくつかに分けられた分野の看護大学院で修士過程を修了した人をNPと呼んでいます。この人たちの、その科で働くことに関する能力はおそらくFellowとInternの間くらい。

最初の方に病棟とコンサルを持っている〜という話を書きましたが、実は病棟の患者さんについてはほとんどの治療方針をこのNPが立てています。

総合内科にいた頃にICUから転科の患者さんを受けたことがあったのですが、その時の引き継ぎをしてくれたのがNPでめちゃくちゃ驚いた記憶があります。今の科には2人のNPがいるのですが、その状況把握能力、プレゼン能力、計画立案能力には脱帽です。

疑問点をFellowやAttendingに相談しながら、病棟を回しているのはこの人です。

 

ちなみにアメリカでは学生、研修医、それ以上の医師はそれぞれ別の丈やロゴの白衣を着るのですが、このNPさんたちはAttendingと同じカッコいい白衣を着ています(笑)

それだけ信頼を得られているという証でしょう。任される程度はNPの能力、Attendingとの関係性によってやや誤差はあるそうですが、興味深い進路なのではないかと思いました。

 

 

今日はこんなところで。