「若手医師のためのキャリアパス論」でイメージ作り
最近、仲良しのブロガーのキノくんから貸してもらった本「若手医師のためのキャリアパス論ーあなたの医師人生を10倍輝かせる方法」を読みました。
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そして彼のレビュー記事は以下に載っけておきます。 書評 「若手医師のためのキャリアパス論―あなたの医師人生を10倍輝かせる方法」 時間がたつと見えてくる景色が変わってくる
ブログを読む限り、彼は3,4回はこの本を読んでいるような気がします。かなり考察が深められていて脱帽です。
昔ブログのコメントか会った時に「読みたい!」と言っていたら、本当に持ってきてくれて、「まじ卍」ってなっていた訳なのですが、、、最近自分の身に降りかかってきた、色々未来について考えなければいけないきっかけまで後回しにしていました。
「借りた本をすぐに読まないのはダメな奴の証拠」
というようなことを、最近読んでとても面白かった漫画のインベスターZで言っていた気がしますが、本当にその通りだと思います。
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でも会う予定日には余裕を持って読んだのでお許しを(笑)ブログ書くのは間に合ってないけどw
読んだ感想を一言で言うと、「本当に良かった」これに尽きると思います。マッチングにも、漠然と持っている海外留学の夢にも、そもそもの人生設計にも活かせそうです。ただ、この感想はあくまでも自分のような「意識高い系」でやらせてもらっている医大生に限定されるような気も少しします。
僕らにとっては、キノくんも言っていたように、何回読み直してもまた新たないい考えをもらえそうな、噛めば噛む程味の出る(笑)本だと思います。自分にとっても、さっき書いた「未来について考えるきっかけ」の前だったら別のことを思っただろうし、今回10吸収できているとしたら6くらいしか分からなかっただろうなと、そんな感じです。
いつも書評で使っている、気になったエッセンスのフレーズと感想を紹介していく形式でまたいこうと思います。お付き合いください笑
よく考えないとOnly oneではなくSome of themになってしまう
「代わりがいる仕事や独りよがりの仕事で満足してはならず、更に一段上の、他人に必要とされ、かつ自分にしかできない仕事をするべきだ」という筆者の主張には、グッと心を掴まれました。論文は、その内容について自分がOnly oneであることを証明しているのと同じことだから、積極的に出すべきだということ、そのためには若いうちに学会発表を積んで論理的思考力と検索力を高めるべきだということ、納得です。
臨床でのSpecialistの目指し方も具体的で分かりやすかったです。3年程度で次のステップに上がるイメージで絞っていき、Only oneを目指すという考え方でした。関連する専門医を掛け合わせて持つというのも、ステップとして堅実で説得力がありました。
その一方で、診療科の選び方についての情報提供が少ないな、と感じました。どの診療科も膨大な労力により形作られており、優劣は決して存在しないというのが筆者の主張であり、本当にその通りだと思うので問題はないのかもしれません。
しかし、「○○科の医師になりたい」「留学に行きたい」という目標を「カオスな状態」とこき下ろす割には、そこまでヒントはくれず、性格を自問自答して自分に合った診療科を選んでください、くらいで終わってしまったのは残念に思いました。まあ、この辺はポリクリや初期研修医でのローテを経れば分かるようになっているのかもしれませんので、次回のお楽しみということにします笑
「ダメな先輩」の話には耳を傾けるな
薄々イメージ出来ますが、「研究なんて無駄!」「博士号なんて足の裏の米粒」「大学院に行く医師、研究をする医師は臨床ができない」というようなことを言ってくる先輩たちが、今後現れるようです。
筆者は「これらは全くの嘘である」と言うことをはっきりと言い切ってくれました。将来の方向性としてかなりの割合でアカデミアに進むことを考えている僕には大変ありがたいですね。
ただまあ、「いいキャリアを積み上げられていないから自分を正当化するために批判的な態度を取る」という主張は、逆もまた真なりなのかもしれないですけどね。 もしかしたら筆者が「(自分から見たら)楽をしていて、ライフワークバランスが充実している先生への僻み」を持っているのかもしれません。
どちらを信じるかは自分次第!笑
同様に「有名病院なんて意味ない」「初期研修なんてどこでも同じだ」なんて言う人は多いと思いますが、同じだったら何で有名病院に人が集まるのだろうかというのも考えさせられました。有名病院に行けば、同じようにモチベーション高くやっている先輩や同期に囲まれて成長できる気がしますし、行けるものなら行って損することはないと思うんですけどね。
冒頭の見方はは有名病院に行けなかった人が溜まって文句を言っているだけなんじゃないか、というのは穿った見方ではあると思いますが。
客観的評価にこだわれ
「悲しいけれど…わかりやすい肩書きがあってこそ、人はあなたの能力に興味をもち、認めてくれる」と言うのが、筆者の主張です。
僕の話になってしまうのですが、最近研究をしていたり今後のことを考えたりしているうちに、何とか日本の医療のおかしなところを直していかないと、国自体どんどん傾いていくんじゃないかと言う漠然とした危機感が芽生えてきていて、そのために医療の質向上や医療経済に取り組みたいと考えています。
僕自身は権力・肩書きが欲しくて医師として出世していきたい訳ではないのですが、こういった場面での発信力を持つためにはやはりある程度の客観的評価が必要なんじゃないかな、言うことを考えさせられました。
何の実績もなく色々な提言をしていても、周りからは似非医療ジャーナリスト(笑)の伊○隼也と同レベルにしか見られませんからね、きっと。少なくとも僕が評価する立場だったらそう思います笑。
筆者が役に立つと挙げていた主な肩書きは以下の通りです。
- 出身大学(昔より効果は薄い)
- 専門医(できれば3つほど)
- 博士号(学位:海外でも重要)
- 業績(学位以外の論文)
- 英語力
- 海外留学歴
その他、所属機関等も文章の中で言及があったと思います。「権力や肩書きを追い求めるなんて性に合わん」みたいに変に尖らずに、素直に追い求めてもいいのかもしれませんね。
「幸せの女神に後ろ髪はない」
これは特に留学を例として挙げながらの話でした。
簡単にまとめると、「留学の話はあったんだけどね、忙しいから断っちゃった」と言う先生がいるけれども、じゃあ留学に行った先生は暇だから行ったのか、ということです。
文中の多くの箇所で登場した、クランボルツ教授などが提唱する「計画的偶発性理論」と最も関係の深かった部分だと思うので、まずは理論の紹介から。といってもそんなに難しい話ではないんですけどね(笑)
個人のキャリアの8割は予想されない偶発的なことによって決定されるので、その偶然を計画的に設計し、自分のキャリアを良いものにしていこうという考え方。その計画された偶発性は以下の行動特性を持っている人に起こりやすいと考えられる。 1.好奇心 2.持続性 3.柔軟性 4.楽観性 5.冒険心
何か面白いことが起こらないかな、と周りに気を配ること。
偶然のチャンスがきたら、逃さずに素早く対応すること。
個人的には、機会が訪れた時に自分がどう動くか迷いなく瞬時に判断できるようにするために、自分の人生の中での大きな夢や、大切にしている価値観を明確にしておくことが一番大事なんじゃないかと思いました。やっぱり、楽しく思うままに歩んで、後から振り返って意味付けをする人生観って甘いかな・・・?
話があったからではなく、レジデンシーでアメリカを狙って行くことも考えていますが、そんなことを考えさせられました。
自分のスタンスをガシガシ書くのって、疲れるけど、自分の考えもうまく整理できて楽しいですね。それでは。